年間休日の最低ラインは105日です。「休日が少ない=大変・きつい」と考える人も少なくありませんが、本当のところはどうなのでしょうか。
年間休日が少ない会社は長期休暇がほとんどありません。しかし、年間を通しての仕事量やスケジュールを予測しやすいため、スケジュールが間に合わず残業になることもなく、定時で帰宅できます。仕事の後や休日にゆっくり過ごしたい人には大きなメリットになるでしょう。
また、休日が少ない分、労働時間が長くなるので収入も増えます。年間休日の最低ラインである105日の場合、すべての土日を休日と仮定すると1ヶ月の勤務時間は1日8時間×15日=120時間です。祝日やお盆休み、お正月休みのある月も同様に勤務することになるのでその分の収入が増える、というわけです。休日よりも収入を増やしたい人にもメリットとなるでしょう。
さらに、労働時間が長ければより多くの経験を積めるのでスキルアップにもつながります。少しでも自分の価値を高めたい、成長につなげたいと考えている人にとっては、労働時間が長い職場は魅力的に見えるでしょう。
前述したように、年間休日105日では長期休暇を取得するのは簡単ではありません。旅行に行ってのんびりリフレッシュするのは難しくなります。それに、仕事と短い休みの繰り返しになるので慌ただしく感じる人もいることでしょう。
しかし、そのように働いているのは自分だけではありません。同僚も同じスケジュールです。周囲の誰かが常に仕事をしているような状態になるため、休みたくても1人だけ休日を取得するのは気が引けてしまい、なかなか切り出せないというデメリットがあります。もし休日を取得できてもその間は誰かに仕事を代わってもらうことになります。他人に迷惑をかけたくないという気持ちから遠慮や気後れを感じてしまう、という人も少なくありません。そのままでは仕事に対する比重が大きくなり、ワークライフバランスも保てなくなるでしょう。休日が少ないと家族や友人と過ごす時間や趣味に費やす時間も確保できません。リフレッシュする機会もないので、休日は蓄積した疲労を回復するだけになってしまいます。
また、仕事量やスケジュールを調整しやすいとはいえ、突発的な出来事が起こることもあります。その場合は休日出勤になったりしますが、土曜出勤のある週に休日出勤すると13連勤になります。後から代休が取れるとはいえ、そのような激務では疲労だけでなくストレスも溜まってしまうでしょう。体だけでなく精神面にも悪影響を及ぼすので、仕事を続けること自体が難しくなる可能性もあります。